畳一枚の緑

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先週、緑育協会や高山村役場にて2時間弱の講座や、サクラの説明会を行ってきました。
講座はこちらの熱意が伝わるように、内容は新しいものを話すようにして、質問もたくさん受けますので終わるとけっこうエネルギーを消耗します。

樹木医を取ってからの10年間は樹木の健康や栽培に重点を置いて仕事を進めてきました。
会社も公共の仕事が多くそれはそれで充実していましたが、昨年トレドという個人向けの住宅植栽をお手伝いするようになり、畳一枚のスペースでも低予算でも美しく植栽する方法を模索していました。
真ん中に一本まっすぐな山モミジがあるだけの植栽ではなく、もっと自然をそのまま切り取ってきたような配置、植栽が出来ないものか。そんな時たまたま見た建築雑誌に荻野寿也さんと前田圭介さんのコラボした庭の景色が。これはすばらしいと、すぐネットで検索。すると週末東京のお茶の水で講習会があるお知らせが。普段大阪・広島に拠点があるのでお二人の緑に関する考え方を聞けるのであればと、近くに宿を取り参加してきました。
雑木の形・流れ、バランスは日本の生け花を参考にしていることや、照明の考え方、下草。花の咲く花木。新しい樹種も積極的に使っています。別に新しいことではないとある人は言いましたが、新しくなくても私の心が喜んでいるやすらぐ庭でした。
昭和の庭は威厳のある庭が多く、石や刈り込みの常緑樹が多く、重い印象でした。有名な高い値段の石でなくてもさりげない景色は出せるし、雑木の庭はメンテナンス費も五葉松主体よりは安く済みます。
建築が洋風にナチュラルになっている中、庭もやはり考え方を変えていかないと、造園業としてお客さんや建築とのギャップが生まれてしまうと思います。
需要が増えれば苗木生産者さんの意識も変わってくるでしょうし、一緒に変わっていかないと風景は造園業だけでは変えられません。幸い当社のメンテナンス課の社員は同じ思いでいることが分かったので、少しずつ実行に移していけたらと思います。

樹木医

Posted by rinkasa