戸隠神社の杉並木

s-KIMG0840s-KIMG0839本日戸隠神社に呼ばれ中社のご神木3本と奥社の杉10本の診断に行ってきました。
6年前に樹木医長野大会で随神門まで全国の樹木医さんを案内しましたが、みなさん杉並木が元気なので安心していました。手前を流れる沢が酸素を根に送り込んでいるのだろうと。
 今回診たのは樹木医の方が時間がなくて行けなかった随神門から小百合杉まで。
時間をかけて1本1本丁寧に見たわけではないのですが、参道側の多くの杉の株元が弱っていました。根が弱り腐ろうとする力のほうが強くなっているような感触です。
 
永平寺・日光杉並木・そして今年の樹木医大会の安中杉並木。いままで3か所の事例を研修してきましたが、私一人では荷が重すぎると感じました。踏圧で根が傷んでいることが一番の原因ですが、日光のように参道を別に通して車は通せなくして、ポカラ工法で根を保護する方法。
寄付金を募り杉のオーナーになってもらう方法。
群馬のように治療はしないで、支柱でしのぐのか。
立花樹木医の指導した永平寺の近くの杉のように歩道を別に板でつくり特殊堆肥で樹勢を回復させるのか。参道側に(砕石の下)に細かい良い根を出さないことには衰弱は止まりません。

中社のスギは大きいので、昨年樹木医会で半分だけ行った治療では全部が元気になるほどの力は出せません。一部葉の色は良くなっていますが。
この秋もう片側施工する予定ですが、もし言い伝え通り2mも深植えになっているのであれば放線菌入り堆肥やA菌根を入れたくらいでは元気になれないような気がします。少し掘って検証しないといけません。
人が多すぎてもできない作業ですので今回は慎重に慣れた当社のスタッフだけで行う予定です。
[樹木医治療事例集]は11年前に出た1冊しか現在ありません。スギは2例のみ。これでは参考事例が少なすぎます。のちに続く人のためにも事例は残して記録して公表していきたいと思います。

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Posted by rinkasa