ヒマラヤスギの樹勢回復
先週の月曜日から今度改修する公園のヒマラヤスギの樹勢回復作業に入っています。最初に、残す株の樹形を軽くするために高所作業車を使って透かし剪定を行いました。
関西では真砂土ですので、根が浅く倒れやすいことも事実です。今回は半分以上のヒマラヤスギは伐採しますが、長野市民にとっては思い出の木でもあり、公園のシンボルツリーにもなっています。市の会議で残すという選択をして樹勢回復という方向に決まったのですから、倒れないようにベストを尽くすのが樹木医の役目。これだけ思い出が多い立派な樹木を、浅根だから・いつか倒れるかもしれないから・危険だからといってすぐ切れるものではないのです。
葉の色が見るからに黄色いものから作業に入りましたが、土が硬くて根が掘れない掘れない。
白いシルト層と、粘土が根の周りにまとわりつきエアスコップが使えないのです。
根も癌腫病が多く、枯死したものも多くありました。
盛土、深植えだということが、よくわかったので次の日からは重機を借りてきて表土を機械で取り除きました。新しい公園の仕上がりレベルが60㎝下がるということがわかり、昔の位置もそのくらいだったようですので、重い土が取り除けただけでも快適な環境になったと思います。将来歩道になる側には根が伸びていないこともわかりました。場所の違う3本目はまったく土質が変わり、根の周囲に外生菌根菌がびっしりついていました。(3枚目の画像)
ヒマラヤスギはアカマツ系よりはクロマツ系で、菌根菌もショウロや、コツブタケなどの胞子の液体タイプを100倍に薄めて散布しました。
今年の春は高山村のサクラをはじめ、順次アカマツなど菌根菌治療が始まります。
今年からはきちんと検証してまとめていきたいと思います。