松の診断続く

s-赤くなったマツ
地元の新聞に広告を載せて以来、連日マツを診てまわっています。

葉の先のほうだけ赤くなる症状なのか、部分的な枯れなのかで病気のおよその見当がつきます。
今のところ一番多いのがカビが原因の病気です。

人間の足にカビがつくと水虫になりますが、いづれも抵抗力が弱ったときに症状がでます。
カビはどこにでもいて空中を浮遊しています。
マツの場合、環境が悪くて弱っている時に強剪定すれば光合成の量も減り、ハサミによる傷口からすぐ感染します。
当社では消毒だけしていても毎年病気にかかりますので、環境を整えることを優先に作業してから消毒をしています。

人間と同じで若いうちはストレスにも耐えられるのですが、依頼のある松は樹齢60年以上が多いです。
マツはスギやイチイより寿命が短いので、中高年の時期に環境を整えてあげないと病気やマツクイムシの被害に合ってしまうのです。
日当たりを良くして肥沃な土であれば土壌を入れ替えて痩せ地にし、根の周りに酸素がある状態に整え、共生する菌を接種する作業は春しかできないのです。
新しく根が出ることによって新芽も伸び、健康になっていくのです。

通常管理している庭師さんには弱っていたら剪定を休むという判断が欲しいです。
弱って葉がほとんど無い状態で来年の芽を摘んでしまうと、治療は本当に難しいものになってしまいます。
病気にかかるかからないかはそのマツの抵抗性・免疫力にかかってくるので
健康な松でいられるように環境を整えることが重要なのです。

樹木医

Posted by rinkasa