文化財としての樹木
先日、市の教育委員会さんに頼まれて文化財としての巨樹などの
管理の仕方や、キノコの種類による危険な兆候などの話をさせていただきました。
その後、数件からうちの文化財の木も診てほしいと依頼があり、
最初にイチョウや、カヤなどを診て来ました。
イチョウは根の断根の結果、上部も衰弱。
周囲を固める舗装をはがし、車を入れないように春に樹勢回復することになりました。
画像のカヤは、隣に雄木もあり実がたくさんなったものをいただいてきました。
15分くらい空煎りすると香ばしくて美味しいらしいです。
このところ実も小さくなり奇形が増えたということで
本当は枯れた古い枝を落とし、有機物を与えたいところですが
急な斜面で、作業車も入ることが出来ず・・・。
持ち帰って検討。
次は神社裏のマツの樹林帯の存続をどうしたらよいかという話でしたが
現場はケヤキやサクラ・シラカシが生い茂り、
マツは毎年衰弱し、マツクイムシの被害が出ています。
たくさんの落ち葉と、日陰になってしまった林では
マツ林は遷移していってしまいます。
遷移をとめるには毎年の落ち葉かきと、間伐が必要ですが
高齢化した地域ではそのエネルギーを継続することは難しくなってきています。
枯れた松の代わりに植樹という話も出ましたが
わざわざ植えなくても実生のコナラ等がたくさん苗木になっていました。
毎年大量のマツクイムシ防除の薬を散布しても、遷移は土から始まっているので
マツクイムシの被害を止めることは難しいでしょう。
文化財だから残すのではなくて、その木の持つ生命力を見極めて
寿命を終えるものはそのまま自然にまかせ、
まだまだ元気なものは健康で長生き出来るようアドバイスさせていただければ幸いです。