園芸療法・福祉と庭
先週の土曜日、岩手県から日本に最初に園芸療法という手法を導入し実践されているグロッセ世津子さんをお招きして、緑育協会で講演会を開きました。グロッセさんとは私が岩手県の小岩井農場技術研究センターで草花や野草の仕事をしている時に知り合い、東和町の園芸療法の施設へ何度か講座に通っていました。22年ぶりの再会でした。
講演の内容は高齢者・障害者・震災で家族を亡くして心の病にかかった人達と、園芸作業を通してリハビリ・生きる勇気を取り戻してもらうという内容でした。
事故で手が動かなくなった少年が少しづつ、土を混ぜたりしているうちに動かせるようになったり、
脳梗塞や認知症の方に、花の水やりをあえて500㏄のペットボトルに入れて、毎日灌水してもらうなど。責任感を持たせて仕事を任せると生きがいや目的意識を持ち、それがまたきれいに咲いた時の喜び等、聞いていて途中から泣けて泣けて仕方がありませんでした。
施設に入って一番つらいのは、毎日何もすることがないことなのだそうです。
園芸療法の為に東京から岩手に移住したグロッセさん。私は長野県に引っ越ししてしまいましたがあの時に学んだ考え方は今も心の奥に消えずにあります。
長野県内の高齢者施設を見渡しても入居する施設そのものが足りないのが現状。
私も将来白い壁のベッドで変わらない景色を見て過ごさなくても良いように、もう少し美しい庭の環境になれないものか、20代の時に思っていたことを改めて思い出させていただきました。
またまた人生の目的が出来てしまいました。