診断の責任と誤解
先週、保存樹木の関係で2箇所の古木について考えさせられました。
1本は、樹齢450年とも言われているケヤキで、元気な木でも枯枝は自ら落すのですが
雷があたり、枝が燃え、それが春に落ちてきたそうです。
春に見に行ったときも、担当地区の方に,
「枯枝を剪定しても今後もケヤキの枝は落ちます。剪定は葉が落ちた秋に行います」
と伝えたつもりでしたが
なかなか剪定しない当社の対応にクレームが来てしまいました。
剪定してくれないからケヤキが危ないので盆踊りが中止になったと。
もう一度説明させてもらい、「ケヤキ重視でいきましょう。
もうケヤキの周りで盆踊りをするのはやめる時期だったと思います」と。
地面がさらに踏み固められてしまい、衰弱してしまいます。
もう1つのT神社は数年前から御神木のケヤキにベッコウタケが4箇所から生えて
とても危険な状態だと、診断し警告していました。5月25日の画像もそうです。
今すぐ倒れるかどうかの判断は出来ませんが、芯の奥まで腐れが入っています。
中はスカスカの状態で、
「腐っていない部分がしっかり根を張っているから
上層部は葉がたくさん茂っているのだと思う」と地区の方に先週話をしたら
「樹木医さんがしばらく大丈夫だと言った」という話になってしまったようで
診断書をきちんと作成し、危険だと書いておかないと
すでに2本倒れているので、問題になりかねません。
診断することは何かあったときに、怖いことでもありますが
恐れていて何もしないよりは樹木医になった以上、責任のある仕事を
していきたいと思います。