秋祭り

私の住む町では、氏神さまの秋の例大祭に花火を奉納します。毎年9月23日に会員達が作った花火を、宵宮祭で披露します。

この花火は長野市の無形民俗文化財にも指定され、名を「瓜割花火」といいます。

お盆が明けると毎週日曜日、会員たちは神社に集まり花火作成に取り掛かります。近隣の花火会社の協力を得て、当日披露する花火を作るのです。山で切った竹を煮て乾かし、火薬を詰めた大綱火や大きな仕掛け花火など、様々な花火を工夫して作ります。

瓜割名物「大綱火」山頂まで300mを駆け上がるロケット花火

中でも「瓜割の華」と名付けられた和傘を使った花火は有名で、当日多くの見物客が訪れ花火の成功を見守ってくれます。

私の担当は大仕掛けで、畳18枚分もある大きさになります。下絵をチョークでアスファルトに描き、それをなぞって木枠を作り「ランス」という仕掛け花火を絵に沿って打ち込みます。作成には2日を要します。

当日は郷路山に設置した足場にセットして点火します。うまく絵柄が出たときは作成までの苦労が報われたような気がして嬉しくなります。

我が煙火会にも世の御他聞に漏れず大きな問題があります。それは後継者不足です。町の伝統花火を継承していくには若い力が必要です。新しい仲間が一人でも多く加入してくれることを願うばかりです。

長持ちを担ぎ町を練り歩き木遣りを奉納する。こんな伝統文化をいつまで続けられるか、今年の秋まつりは無事楽しく厳かに終わりました。