若里公園の四阿できた!
昨年末から施工を行っていた若里公園の四阿が、この度しゅん工検査も完了して、供用開始となりました。隠れた場所にある四阿なので知る人ぞ知る物件ではありますが、楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃると思います。
今回は若里公園の四阿のご紹介と、工事のざっくりとした流れをご紹介します。工事の流れは文章だらけに誰得な内容ですが、これから現場監督を目指す方は参考にして頂ければと思います。
完成した四阿ビフォーアフター
あまり大きなものではありませんが、少し暑い夏の日には緑のカーテンとともに涼やかな場所を提供してくれます。
工事として一番の苦労はなんと!四阿本体ではなく、地面のインターロッキングブロックでした。経年劣化した既存のインターロッキングブロックとの接合部分が微妙に凸凹していて不自然にならないようにうまくつなげる事が高難度でした。
公共工事のお仕事
ここからは公共工事の入札からの流れをざっくりとご紹介します。内容としては、工事を元に長野県向けの内容になります。
電子納品の事前協議
昨今の公共工事もデジタル化の波に押されて電子納品がだいぶ普及してきました。長野県の工事では電子納品が必須となっています。どのように電子納品を行うか、どの部分を電子納品にするか、情報供用システムはどれにするか?などを決めないと発注者と書面を取り交わせません。なので、工事の早い段階で電子納品の事前協議を行います。
施工計画書の提出
施工計画書が提出できないと測量一つも行えません。でも測量を行わないとちゃんとした施工計画書が作成できません。なので、起工測量だけ行える施工計画書を作成して起工測量を行って、現場全体を把握した後に変更施工計画書を提出することが多いです。
施工計画書には次のような内容を記載します。
工事概要、計画工程表、現場組織、主要資材、施工方法、仮設計画、施工管理計画(出来形管理、品質管理、写真管理、段階確認の計画)、安全管理、緊急時の体制、交通管理、環境対策、現場環境改善計画、建設副産物(廃棄物)、過積載防止対策、週休二日計画、関係機関への協議計画などです。
起工測量
施工計画書を提出したので起工測量を実施します。起工測量を実施すると設計図に示されているものがその通り作ることが出来るかわかります。設計図と現場の地形などがそんなに変わることがあるの?と思われるかもしれませんが。「うそ!!」と叫びたくなるほど違う事があるので、起工測量は欠かせません。また、あまりに設計とかけ離れている現場だと測量する項目も増えるのでとてもがっかりします。
設計照査
18条協議ともいいます。設計と現場との喰違いを発注者と確認し合います。設計書内での食い違い等は、起工測量前でもわかるのですが、測量を行ったあとだと現場と設計との食い違いも合わせて協議できるのでお得です。
予想出来形及び起工測量結果
起工測量が完了すると、設計と現場との差異が明確になるので、変更となる部分を明確にし、変更となる土量や材料を把握します。事前に18条協議で決定事項があるときは盛り込んだりします。
施工体制台帳の作成
工事をするのには自社だけで完結することもあれば、専門工事業者に施工協力お願いすることがあります。このように自社以外に協力業者として参加してもらうためには施工体制台帳というものを作成します。施工体制台帳には、建設業の許可、技術者の方の在籍証明、資格者証、退職金の種類、契約書と内訳書、作業員名簿などの書類が必要となり、けっこう大変です。
変更施工計画書
これらの事前協議がおわるとおおよそ工事内容が固まってきます。工事内容に合わせた施工計画書を作成して提出します。このあたりで廃棄物の処分方法も決まってくるので廃棄物の処理や運搬の契約を行います。工事の規模によってはCOBRISへの登録等も行います。
使用材料承認
工事で使用する材料の規格や品質、形状などがわかる承認願というものを発注者に提出します。主要な材料だけでよいのですが、主要な材料はどこからどこまでなのかがはっきりしないので、手当たり次第提出することが多いです。また、砕石など一括承認できるものがあるのですが、現場密度試験を行ったりする場合は承認願が必要なので注意が必要です。
地元回覧の提出
大概の公共工事は地元関係者が存在します。地元の方にどのような工事でどのくらいの期間どのような影響があるかわかる資料を作成します。工事に着手する1ヶ月くらい前に用意します。発注者の意向が入ることが多いので、必ず発注者に確認します。監督員と地元の関係が伺いしれたりするので興味深いところでもあります。
だいぶ端折りましたが、ここまで行うと工事に着手できます。工事中にも長野県の場合は、施工プロセスチェック、指導監査、抜き打ち検査、元請け下請け法検査など、中間検査的なものがあるのでそれぞれ対応します。
公共工事の現場管理は手順や手続きがおおく大変な一面もありますが、だいぶ定型化していたり、デジタル化していたり、よく知っている仲間がいたりで、文字で書くと「なんのこっちゃ?」ですが、やってみると意外にすんなりと処理できたりします。
だいぶ長くなってきたので、現場監督のお仕事施工中編はまた次の機会があったらご紹介させていただきたいと思います。