今年もあいつがやってきた

2020年9月10日

ちょっとタイミングがずれた内容ですが、今年もあいつがやってきました。困ったちゃんなあいつの季節です。

あいつとは?

本社正面のハナズオウ。
本社正面のハナズオウ。

場所は、RINKASA本社の正面。ハナズオウです。この写真ではちょっと分かりづらいかもしれませんが、あいつにやられています。写真中央のやや上。右側の木の右上です。

そう、動物界節足動物門昆虫網チョウ目トモエガ科アメリカシロヒトリ。通称アメシロ。そうです。あの悪名高きアメシロにやられてしまいました。
患部を拡大してみると、まだ巣網の中で小さな幼虫がもぞもぞしているので、おそらく2齢虫から3齢虫でしょうか?

困ったちゃんにやられました。
困ったちゃんにやられました。


この時期の駆除方法としては、枝ごと切り落として、巣網ごと処分するのが一般的ですが、やはりRINKASAとしてはよく効く農薬があるので、さっそく薬剤防除に取り掛かります。

Let’s 防除

スティンガーフロアブル
今回、こちらを使いました。

今回使用する薬剤は、「スティンガーフロアブル」です。この薬剤はチョウチョウ(チョウ目)の幼虫に対して摂食障害を引き起こし、餓死させる事により駆除を行います。比較的新しい薬なので、安全性も高いものとなっています。そして何より、チョウ目の幼虫を選択的に駆除するので、他の生物への影響が比較的少ないので、自然環境にも優しいのです。
もう少し詳しく説明すると、従来の消毒のように幼虫に直接薬剤がかかる事によって効果を得るのではなく、薬剤が染み込んだ葉っぱを食べた幼虫に対して効果があります。ここがものすごいポイントで、薬剤が染み込んだ葉っぱは、数ヶ月間に渡って効果を持続します。長野でアメリカシロヒトリは1年に2回発生しますが、1度散布を行うと、2回目の発生も抑えることができるすぐれものなのです!
葉に対して残効性があるというと、なにかものすごく危険な雰囲気が感じられますが、ここは世界で最も厳しいと言われている日本の農薬審査をパスしており、名前こそ違いますが、薬効成分としては同じものが農作物にも登録があるので安心です。
今回はスティンガーフロアブルを使いましたが、一般の方にはより使いやすい「ロックオン」がおすすめです。違いは薬剤の希釈倍率で、10Lの消毒を作るのに、スティンガーは8000倍に薄めるので、1.25mlを使用するのですが、ロックオンは1000倍なので10mlを使用します。
一般の人は1.25mlの計量は意地悪以外の何物でもないので、ロックオンがおすすめです。
※植木屋さんは1回に数百リットルの薬剤を作るので、あまり関係ありません。

注意点

ロックオン
ロックオンもあります。

この薬剤はいいとこずくめに見えますが、落とし穴があります。ピレスロイド系や有機リン系の薬剤とは異なり、チョウ目の幼虫にしか効果がありません。チョウ目ではない昆虫の幼虫や、アブラムシ、ダニなどには一切効果がありません。その分安全性が高く、生態系に優しいとも言えるのですが、従来の何でもかんでも殺してしまう薬剤になれている方には物足りないかもしれませんね。
RINKASAでも取り扱っていますので、メールフォームなどからお問い合わせください。

※薬剤は使用方法をよく読んで正しくお使いください。