覚悟の磨き方

2022年12月18日

このところご高齢の衰弱した樹木をお相手に奮闘していましたら
ちょびっとばかし、しらないうちに口からため息が漏れていました。

仕事自体は前向きに、なんとか少ない予算でできることを考えて施工しているつもりなのですが
地元の方にとっては、本当に元気になっているのかと不満の声も出てきています。
今までの施工方法は、10年間藁と石とボヤ炭がメインでした。
その方法はその時に出来る最高の方法だったのかもしれません。

それを昨年から当社で菌根菌の原理に基づいた施工方法に代わり、まだT村では1・2年目。
信頼関係もまだない状態で、ここまで弱ってしまった樹木を年相応の状態に持っていくには最低3年は時間がほしいと思っています。3年で終わりでなくて一度検証をしましょうと。

そこへ一本の重たい電話が。
大きな木が枯れたとき
人は誰かのせいにしたがります。
診断の時に思うのは木が枯れるのは複合だと。
除草剤で弱っているときに強めの消毒をしたとか、
道路工事で根を切断して弱っているときに害虫の被害や病気になった、など。
原因は一つではないことが多いのです。

女性樹木医はそうでなくても目立つから気をつけなさいと、
専務には忠告を受けていたのですが
この体形ですから木の陰に隠れることも出来ず。

一緒にいたH次長は、
「大丈夫だよ、真実は一つだから」
と、慰めてくれました。涙が出るくらい嬉しかったです。

先駆的に京都、島根の出雲大社などで試行錯誤して
チャレンジしている小川眞氏、伊藤武樹木医、御年82歳に導かれた同期の仲間たち。

みんな地道に菌根菌なんて誰もまだ理解できない土の下の世界。
樹勢回復に応用しようともがいているので、私も覚悟を決めて怖さから逃げずに
伝える方法、残す方法を考えます。

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Posted by rinkasa