庭師職人の夢

s-01b64f7aa40f2bc60f1b298f5703327bd4c7170355先週はサクラを診てほしいという依頼が多くありました。
一つは工事をするときにどうしても根を切らなくてはならないから弱らせない方法を教えてほしい。
見に行くと工事をする前から幹はボロボロで、あまり管理をしていないことが一目でわかりました。
もう1件はシダレザクラで開花すればとてもきれいなのでしょうが、今の時期はお化け屋敷のような状態。桜は切ってはいけないのではないかという迷信がどんなに朽ち果てても枯れ枝はそのまま。ほとんどのサクラには有機の施肥などはしたことがありません。

貝殻のようなムネアカアワフキ・枝の先端が丸く反り返る症状。白いカイガラムシ・花芽が先にしかついていない。衰弱しているサクラがなんと多いことでしょうか?有機の施肥をすれば樹皮のささむくれも、美しい肌に潤うのに、完熟堆肥を3年も与えれば、十分幹肌がよみがえってきます。抵抗力もつくのでイラガなどの被害も減ります。
この10年施肥した桜は本当に元気になっています。萌芽を切り取り、枝を整理して品の良い樹形の枝垂れ桜にするにはやはりプロの腕が必要です。銘木のサクラほど周りの環境も整えてあげれば、さらに美しく咲くことができます。それができるのが庭師職人だと思います。

先日50代のニッポンの職人さんたちが海外に行って塗装や、電気工事・大工と連携して壊れた噴水や公園・児童館をきれいによみがえらせる番組を見ました。職人さんはすばらしい。思わず完成した時には拍手してしまいました。
私は技術を持っている職人さんが大好きです。特に庭師は素晴らしいと思います。
「うちの職人さんが外国に行って日本庭園のマツを直してきれいに剪定してくる番組があればN君の夢も叶うのになー」なんて。

夢は声に出して願わないと叶わないのだったら、1ヶ所でいいので病院の庭を花で彩る仕事がしたい。
ボランティアではだめです。やるならちゃんと、継続して仕事として請負わないと。
公園が綺麗なのは当たり前。病院や老人ホーム・児童館などの花壇をきれいに咲かせるお手伝いが出来ればうれしいです。
そのためにも今継続中の一本木公園のイングリッシュガーデンなどの花の仕事も大切に実績を積んでいきたいです。

樹木医

Posted by rinkasa