樹木医としての悩み
昨日、今年樹木医試験を受けた庭師さん3名から、「残念ですがまた来年頑張ります」とメールが届きました。
受かったら受かったで責任の重さに、しばらく合格したことはふせておこうという心理になります。
伏せたままでは仕事にもなりませんし、経験も増えていかないのでなるべく多くの研修に参加して
現場も慎重に作業を進めてきたつもりでした。今のところアカマツに関しては140本元気に回復してきています。
問題はキャラです。
前の造園やさんが、弱った治療として、幹の空洞部分に石灰硫黄合剤を根まで流し込んだことが大きな要因だと思うのですが、今年の春に残りの半分側を掘ってみると根がみんな腐っていました。
おととし治療した側はここまで腐っていなかったのですが、のこぎりでカビの生えた枯れた根を取り除き、根ぐされ防止剤・炭・リン肥などをいれて用土をかけるだけで精一杯でした。
反対側は新しい根がまったくなかったのです。腐った根を全部取り除くことは難しく
硬い粘土土を掘って外に出すだけで1日が終わってしまいました。
人間で言えば、反対側は開腹手術をしてみたら癌が全身に広がっていた状態です。
外からでは分かりません。
この夏半分の枝が枯れ、なんとか生きている根のほうにある枝が緑を保っている状態で
私は怖くて御施主さんの家を訪問することがなかなか出来ませんでした。
どうする・どうすると思っていても連日33℃を越す夏は何も出来ないのが現状で、
逃げていたのだと思います。自分の力不足を痛感しました。
キャラの樹勢回復事例はほとんどなく、樹木医メールにも「どなたか成功した例を教えて欲しい」と流れていました。これ以上枯れないようになんとかしないと、普段能天気な私ですが胃が痛いです。