松の樹勢回復始まる
今年は暖かいので南の地区から菌根菌を使った樹勢回復を始めました。
午前中はT小学校のクロマツで、掘ってみると根が出てこない。
40cmまで掘り進んでやっと太い根が出てきました。
根が呼吸できないので、上へ上へと直線的に下から伸びていました。苦しかったと思います。
植物は声が出せないので葉の色や、幹などで読み取ってあげるのも樹木医の大切な仕事です。
午後の個人邸は、根の周囲に絨毯のような敷物を草が生えないように敷いてあり、土に腐敗臭がありました。
松の周囲のスズランやヤブラン・タマリュウを綺麗に抜き取り、断根し菌根菌を接種して完成。
根元もすっきりして来年が楽しみです。この作業は昼だからもうやめにしようといっても、O君などは夢中で作業しているのでなかなかやめません。私も道具をいろいろ変えて掘り出す作業は一番楽しいです。
みんなで顔をそろえて根を出す作業は、心が幼稚園時代に戻るのかもしれません。
土曜日に久しぶりにSBCラジオに出させていただき、松の話をしましたら、会社名は言わなかったのに数件の依頼が入りました。わざわざ遠くから松の写真を持って訪ねてきてくださり、留守でしたので夕方ご自宅へ。黄色くなった松が玄関前に2本。それ以上に立派なゴヨウマツと、ヒメゴヨウ。ヒメゴヨウがこんなにも美しいものだとは思いませんでした。
庭木が好きで足立美術館にも松を見に行ってきたそうです。
ラジオを聴いて依頼してくださる方は、みなさんニコニコしていてすぐ打ち解けることが出来ます。
武田さんも言っていましたが、「大事なことは伝えていかなければいけない」という精神のもと
またお話できたらと思います。