文化遺産と庭

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画像は大河ドラマで有名になった場所ですが、先週マツの調子が悪いとのことで見に行きました。
松の樹齢はまだ若いのですが、横枝が枯れており、葉も黄色くなっています。
さっそく弱った原因をリサーチ。観察力が大切です。

観光地ですからきれいに見せるために除草剤を年3回ほど散布しているとのこと。
マツだけでなくシラカシもキンモクセイも弱っていて、このままでは観光資源としても見せるに堪えられないくらい
病気がついています。建物はもちろん文化財ですが、庭も大切な文化財だと思います。
建物の保存と同時に庭の景観も維持していかないと、文化財としての価値が下がってしまいます。
見る人が見ればわかるのです。

今日作業している上駒沢諏訪神社の総代さんが言っていました。
「今まではわからないから除草剤を木の周りにも撒いていたけれど、
300年のケヤキは枯らしてしまったらもう
取り戻せないのでこれからは大切に保存していきたい」と。

除草剤というストレスで弱ると、カイガラムシもつくし、ダニも付きます。
まずは除草剤散布をやめていただき、周囲の芝を剥ぎ、炭と菌根菌で春に樹勢回復を試みます。
そのあと目的にあった消毒を行い、数年にわけて鮮やかな緑のマツに戻していきたいです。

樹木医

Posted by rinkasa