植木屋さんのゴミ問題

2020年5月30日

植木屋さんのゴミ問題

「植木屋さん」と「ゴミ」というとあまり関係のなさそうな下りですが、剪定をしたあとに出てくる剪定くずや、草取りの取ったあとの草、伐採したあとの木などがゴミとして発生します。見方を変えると、仕事をすればするほどゴミが出る業種なのです。きれいに草を取るとゴミがいっぱい出るというのも当たり前ですが、不思議な関係ですよね。

ゴミには大きく分けて2種類ある?!
世の中のゴミを取り仕切る法律として、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律があります。略して「廃棄物処理法」とか「廃掃法」などと呼ばれています。この廃掃法で廃棄物の分類として「一般廃棄物」と「産業廃棄物」とに分けています。それぞれ法令でちがうものとして「一般廃棄物収集運搬業」と「産業廃棄物収集運搬業」という許可の区分まであります。では、この2種類の廃棄物は何が違うのでしょうか?

一般廃棄物の特徴


あくまでも植木やさん視点で一般廃棄物を説明すると、除草したゴミ、剪定屑などは一般廃棄物となります。もう少し掘り下げると、一般廃棄物として発生した廃棄物の排出者として処理責任を持つ人は、樹木の管理者であるお客さんになります。細かいところですが法律上では、植木屋さんはお客さんから「剪定」と一般廃棄物収集運搬業の許可を持っての「運搬」の仕事を委託されていることになります。

産業廃棄物の特徴


同じく植木屋さん視点ですが、樹木等を伐採をした場合には産業廃棄物となる場合があります。山間部で道路を広げるために樹木を伐採する際は、出てくる木くずは産業廃棄物となります。産業廃棄物の処理責任は木を切った人が廃棄物の処理責任を追うことになるので、我々が責任をもって処理を行うこととなります(厳密にはいろいろなニュアンスがあるので一概には言えませんが)。ですので、お客さんと直接工事を契約している場合は、委託されるわけではないので、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要となります。


まとめ

一般的には、普通に木を切ったり、草取りをしたときは一般廃棄物。なにか工事を伴う場合は産業廃棄物となります。道路をつくるために先行して伐採工事だけ発注された場合は、工事を目的としているため、発注者としては産業廃棄物になりそうな気もしますが、受注者としては、工事を行っているわけではないので、一般廃棄物となりそうな雰囲気です。
また、個人のお客さんの庭の真ん中で石組みの工事(ものを作る)を行いました。ついでに庭の端の邪魔な樹木を伐採しました。契約としては1本の契約です。この場合はかなり微妙で判断がわかれますよね。同じ伐採木なのに、理由が変わると行政上の処理区分が変わって、処理できる許可区分がかわってきます。このあたりの話になると、行政の方でも判断が分かれるケースが出てきます。
一般廃棄物の前提は、一般のひとが排出する一般的なゴミという考え方だと思いますが、この考え方にのっとると一般廃棄物の排出者は一般の人なので(すごくややこしいけど)、辻褄があっていそうですが、実際に剪定を行ってゴミを発生させているのは造園業者です。このあたりが法律の解釈や、その後の処理手続きのトラブルの種ですよね。
たぶんこのあたりの解釈については、都市部と地方でのゴミ事情があると思うのですが、それはまたの機会に触れたいと思います。