コケと菌根菌

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先週末、1泊2日で国立科学博物館・日本蘚苔類学会前会長の樋口正信先生講師で苔の勉強会がありました。今まで国営公園でスナゴケ・苔玉でハイゴケ・日本庭園でスギゴケ・自然観察会でヒカリゴケは知っていましたが、造園工事でコケを使いたいと思ってもうまくいきませんでした。
参加者は奈良県や仙台など県外の方がほとんどで、学校の先生も多く参加していました。
樋口先生は私が長野でコケを使用するのが難しいというと、画像のコケを指さし、コバノチョウチンゴケが、日本庭園には合うと思うと教えてくれました。でも関東・長野県では冬に霜柱が上がるので、冬に乾燥して枯れてしまう。真砂土がベースの京都のような苔庭は難しいのだそうです。

北八ヶ岳白駒池の周囲では、ネコシデとチョウセンゴヨウを初めて見ました。
チョウセンゴヨウは近年増えすぎて、落ち葉でコケが消えてしまうので困っているとの事。
鹿問題も深刻で、2枚目は樹皮の食害で枯れてしまったオオシラビソです。

横浜国立大の院生がコケを専攻しているとの事で、コケ図鑑を片手に熱心に先生に質問していました。
コケ学会のメーリングリストで、コケと菌根菌の関係が話題になっていて、嬉しくなって菌根菌は今樹木治療に使用していますよとお伝えしました。
ゴヨウマツ・オオシラビソ・モミは外生菌根菌が付いていて、
シャクナゲ・スノキ・ウラジロヨウラクが生えているエリアはツツジの仲間ですので、エリコイド菌根が優勢ですと話すと大変感激していました。
コケと菌根菌関係は、蘚苔類の苔類には付いているらしいですが・・・・?。
やはりそれぞれの業界で菌根菌の世界はわかり始めたばかりのようです。

亜高山帯の針葉樹林は枯れた枝が沢山落ちていて、なかなか腐りません。
エリコイド菌はその枯れた枝から窒素をもらう力が特に優れていて近年
ブルーベリーに木材チップをマルチする栽培方法はそこから来ているのかと
納得しました。
シャクナゲは造園でよく使用しますがけっこう枯れやすいのですが、
エリコイド菌をもつ性質を理解して植えつければ枯れないで大きく育つのかもしれないと、やってみなければわかりませんが面白い世界です。

樹木医

Posted by rinkasa