研究者と現場とのギャップ

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先週もマツの診断依頼があり、画像のように枯れてしまったマツを、お金はいくらかかってもいいから直していただけないでしょうかとお願いされました。

世帯主の方は除草剤はかけていないそうですが、マツクイムシにしては、葉が上をむいたまま枯れている事と
よーく下草を見ると、芝生がマツの下だけ綺麗に枯れているのです。
ほかの樹木もだいぶ衰弱していたので、多分庭の管理を任されている方が独自の判断で、除草剤を散布したのでしょうという診断にいたりました。

昔からある銘木でとても残念がっていましたが、樹木医に求められるのは
なぜ枯れたかよりも、なんとしても直してもらいたいという切実な願いが多いのです。

樹木医学会も週末初めて参加してきましたが
「アンズの新梢枯れの病原菌は・・・・」と、発表していたので、
どんな治療法が適しているのでしょうかと質問すると、それはわかりませんと言われました。

「アローニアの炭素病も、なになにという病原菌だということがわかりました」と
ありましたが、やはり対策はわからないそうで、あとは自分たちで使える農薬を調べてなんとかしなさいということなんだと理解しました。
そこまでは大学院生さんとか発表者さんは試験していないのだそうです。

だったらほかの人に聞けばいいのだと、聴講していた理学博士のM樹木医さんに
お昼時間にじっくり教えてもらいました。

「ツツジグンバイの薬はダイ〇〇〇ンが効くよ」と教えてくれたので
「先生その薬はもう販売中止です」というと、「今年ダ〇〇〇が出たからそれなら
グンバイやチュウレンジバチにも長く効くよ」と。
それはさっそく購入して試してみます。

M博士とは先月違う講座にたまたま参加されていて、顔を覚えていてくださったので
いろいろと教えてくれました。
農薬の講座も植木部会も女性はほとんどいないので(ゼロに近い)
普通は一回会っただけでは教えてもらえません。
前回一緒にいた元京都樹木医会長の伊藤先生のお陰です。

2日間15種類くらいの発表それぞれが興味深く、メモに書ききれませんでしたが
整理してうちの現場の職人さんにもわかるようによく噛み砕いて年末に報告したいです。

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Posted by rinkasa