保存樹木問題
長野市では毎年葉が落ちると、保存樹木の剪定が始まります。
本来の目的は道路や遊具の上の枯れ枝落下防止なのですが、どこの神社でも大きいケヤキであればあるほど倒れるのではないかという不安や、落ち葉が樋にたまるので、思い切ってたくさん剪定してほしいという要望が出ます。
今回のこのケヤキも最初は半分上を落としてほしいという依頼でしたが、きちんと説明して300年前のご神木であるということ。下にはほとんど枝がないので、葉がないと糖分を得ることができないので強剪定すると枯れてしまいますと説明させていただきました。
それでも実際に施業になると必ず何人かの方が入れかわり立ち代わり来てもっと切って欲しいと、意見を言ってきます。そのたびに職人さんは困ってしまうので新しい神社の剪定の時は立ち会うようにし、何か言ってくる方がいたら樹木医がきちんと説明して対応するようにしています。
住民の思いと樹木の健康のバランスをとることも大切な役割です。
樹木医さんは今年度上田市に一人合格者がいただけですが、住んでいる人たちに対する説明能力と強い意志がないと、怒りに負けてたくさん切って枯らしてしまうこともあります。
話をしたり場所を移動することができない巨樹巨木を守りつつ、末永く健康で生活していってもらえるよう
凛とした態度と、説明は優しくおだやかに、保存樹を残して行きたいです。