樹齢600年のケヤキ

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長野市の塩崎地区には樹齢600年のケヤキがあります。
数年前から診ていますが、昨年雷が落ちて、枝が燃えて
その太い枝が先月落ちてきたそうです。
他の枝も下に落ちてきたら心配なので、どうしたらよいかという相談でした。

樹形はすばらしいのですが、肌がボロボロ、体が大きくなりすぎて
高齢の体では支えきれなくなっています。

葉も小さくたくさんの実がついています。
少し横に伸びた枝を透かして減らし、風の抵抗をなくし中に光を入れることも必要です。
有機肥料を株の周りに敷き詰めたら,少しは木肌の柔軟性もあがるので
と前回提案したのですが,予算が無くて施肥まではいたらず。

肥料というとみなさんこれ以上大きくなっては困るからと言いますが、
大きくなる前に生命維持のため・健康になるための有機マルチであり
年に1回3年間与えるくらいでは、老木はそんなに大きくなりません。
骨粗しょう症になってどんどん枝が折れてしまわないように
老木にも栄養・ミネラルは必要なんです。
区長さんにはそのことをしっかり説明したので、今度は理解していただけたようです。

昨日の趣味の園芸ではツツジを特集していましたが、
綺麗に咲かせるためには、年に3回肥料を与えてくださいと言っていました。
お庭をもつほとんどの人が与えていないのが現状です。

樹木・山野草に肥料は与えて良いものなのかというところで
多くの方が悩んでいて、分からないからそのまま放置。
結果山野草は消えてしまう・植木は元気がなくなる・病気になるという
悪循環を変えていければ、自然に健康で美しい庭になっていくと思います。

樹木医

Posted by rinkasa