
こちらのアカマツは極端に衰弱しているわけではありませんが、徐々に樹勢が弱くなってきているとのことでした。

根元周りを確認してみると、ルートカラーが見られず、明らかに深植え状態でした。堆積土を除去して、本来の地盤の高さまで掘削を行います。
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掘削状況です。幹や根を傷めないように丁寧に少しずつ掘りすすめます。発掘作業に近いものがあり、とても時間のかかる作業です。
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ようやく余分な土砂を除去して、本来の高さまで掘削が完了しました。こちらのケースではおおよそ40cmほど深植えとなっていました。掘削時に玉石などがでてきたため、おそらく植え付けた時点で深植えとなっていたものと推察されます。

健全な若い根を探して菌根菌を接種するための下処理を行います。
この際に使用する道具は雑菌による汚染を防ぐために、こまめに消毒を行いながら処理をします。

掘削した根元は周辺よりも低い高さとなるため、土砂などが流入して、月日が立つと再び深植え状態となってしまいます。こちらのケースではこれらの防止のため、掘削時に出てきた石を利用して、石組みを行い、土留壁を設けました。

石組みも発生材ですがなんとか形になりました。これでしばらくは土砂の流入も抑えることができます。
菌根菌資材を投入して治療完了です。周辺には井戸や築山などがあり、直径1m程度の改良でした。
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治療後3ヶ月の状態です。新芽の伸長と色づきが良くなりました。